あなたは、「この本は、○○の業界のバイブルです!」といったフレーズを聞いたことがありますか? バイブルとは、英語で【聖書】のことですが、冒頭のフレーズを「この本は、この業界の聖書です!」と言っても、ピンときませんね。ここではバイブルという言葉は、「最も権威がある」という意味で使われているのです。
実際、英語でも聖書という言葉は、Bible のほかに The Book of books (本の中の本)とも言いますから、この用法はあながち間違っていないと言えます。
この最も権威がある本、【聖書】は、現在までに世界中で約3,380億冊が購入され、年間約6億冊が印刷されていると言われています。(Wikipedia)
聖書がこれほどまでに多くの人に読まれるのは、そこに、人の人生を変えてしまうほどのパワーがあるからです。以下に、聖書から大きな影響を受けた人々の言葉を紹介したいと思います。
好地由太郎(元死刑囚)
「聖書を読め。読まないから迷うのだ」(貧しい家に育ち、明治15年、奉公先の女主人を殺害して放火し、死刑囚となった人物。服役中に、冤罪により投獄されたクリスチャンの青年の影響を受け、聖書を読みたいと思う。字が読めなかった彼は、字を勉強するところから始め、3年をかけて新約聖書を暗記した。後に減刑され、釈放後は牧仕になる。高級食器のノリタケの創業者森村市左衛門は、彼の説教を聞いて感銘を受け、彼から洗礼を受けている)
矢内原 忠雄(経済学者、元東京大学総長)
聖書は学者の書であり、無学者の書であり、万人によって万人に学ばれるべく、万人によって解されるところの人類の書なのである。われわれが謙虚になって聖書をひもといて見れば、それ(知識)は最も基本的な形において聖書に示されている。
淵田 美津雄(旧帝国海軍パイロット、真珠湾攻撃総指揮官)
私は熱心に聖書を読みました。そして「父よ、彼らを赦したまえ。彼らは何をしているかわかっていないからです」というキリストの言葉に出会い、私の人生観は完全に変えられました。(宣教仕である両親を日本軍に殺されたアメリカ人のクリスチャン女性が、日本人を赦し、捕虜になった日本兵の世話を献身的にしているという話を聞き、淵田氏は感銘を受けた。さらに朝日新聞の天声人語欄に載った「聖書を読む勧め」という記事を読んだことをきっかけに、聖書を読み始めた)
三笠宮 崇仁殿下(大正天皇第四皇子、歴史学者)
私は戦時中に敵を知ろうと、キリスト教を調べ聖書にぶつかった。初めは文明を誇る白人がなぜこんなものを信じるのかと笑ったが、聖書が歴史的事実と知ったとき、聖書から離れられなくなった。
南原 繁(政治学者、元東京大学総長)
どれほど神仏に祈っても、しょせんは自分の無事幸福か、せいぜい家内安全を願うことにとどまった私の心が、いまや、(聖書の語る)自分の罪を知り、それ(罪)からの(キリストの)贖いと赦し、神の御旨(計画)へと(私の心が)向けられるようになった。…私は、家庭において日曜日ごとに家族らに聖書の研究や話をした…。
ニュートン
いかなる歴史よりも、聖書の中には確かな真理が存在する。
ナポレオン
聖書はただの書物ではない。それに反対する、すべての者を征服する力を持つ書物である。
アブラハム・リンカーン
聖書は、神が与えた最高のプレゼントだと信じる。世の救い主から発するすべての良いものは、この本を通して私たちに伝えられる。
では、聖書がそれほどまでに人の人生に大きな影響を及ぼすのはなぜなのでしょうか? それはひとつには、聖書が、人間が抱く素朴かつ根源的な以下のような質問にも答えているからです。
1)なぜ人間は生まれたのか?
2)何の目的で生きているのか?
3)どこから来て、どこに行くのか?
このような問いに答えが与えられれば、人生が変わるのも不思議なことではないのではないでしょうか?
聖書は、日本全国、ほとんどの書店で購入できます。その聖書を手にして開いてみると、旧約聖書と新約聖書の二つが収められているのに気がつくでしょう。これはどういう分類なのでしょうか。
1)旧約聖書は、神がひとつの民族(イスラエル)を通し、人類に対する神の愛と計画を全うすることについて書いてあります。また、後の時代に救い主が世に現われることを告げています。
2)新約聖書は、旧約聖書で預言されていた救い主が現われ、神の計画を成し遂げたことについて書かれています。
3)この救い主こそ、イエス・キリストです。
聖書には、神がどのような意図をもって人類を造ったのか、人類はどのように生きるべきだったのか、しかし、その道をどのように外れてしまったのか、それをキリストがどのように軌道修正してくださるのか、軌道修正された人(あるいは、修正を拒んだ人)の未来に待っているものは何かについて書いてあるのです。
ヒストリーという英語の言葉があります。Historyを分解するとHis Story、つまり「彼のストーリー」になります。つまり、イエス・キリストのストーリーについて書いてある本が聖書です。
このイエス・キリストを通して、以下の7つのことが明らかになります。
1)神について
2)人間について
3)神と人間の関係について
4)この世と人間の関係について
5)悪魔について
6)死後の滅びについて
7)永遠のいのちについて
旧約聖書のイザヤ書という箇所には、
「彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、悲しみの人で病を知っていた。……
まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。……
彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた。
彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私たちはいやされた」(53章3~5節)
と書いてあります。
これは、人類が犯した罪のために、神のひとり子である「彼」(イエス・キリスト)が十字架にかかり、その罪を清算するということを預言した箇所です。
新約聖書では、救い主として世に現われたイエス・キリストが、
「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです」(ヨハネ14章6節)、
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイ11章28節)
と、人々を招いています。
イエス・キリストは、神のひとり子でありながら、人類の罪を引き受けて十字架にかかるために人としてこの世に生まれ、罪のない完全な生き方をされました。
親切で優しく、柔和で忍耐強く、あわれみ深い大きな愛で人々を愛し、十字架の上でその愛のすべてをあますところなく表現されたのです。
聖書全体は、このイエス・キリストについてのストーリーと、キリストを信じる者に与えられる永遠のいのちの約束について語っています。人々がキリストを知り、信じて、信頼し、その結果たましいの救いを得て、キリストを愛して従うようになるために書かれたのです。
ここまで読んでくださったあなたが、聖書に対する興味を深め、実際に手に取って読んでくださることを願っています。
読んでみて難しいと感じられたときは、ぜひ、メッセージライブラリーにある各聖書の解説を聴いてみてください。
© 2024 Jesus Community Kokubunji